カピバラのプレイファイティング part2
動画の続き。
追い掛け合いと水中がっぷり4つ。

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さて、カピバラの戦い(攻撃)とは言っても、なにか
カピバラ独自の特徴的な戦法なり武器なりがあるというわけではありません。
そういうことで以下はかなり一般的な話をするコトになります。
しかし一般的なものが何なのかを理解していないと、
その動物が、他とは違う、どんな独自の特徴を持っているのかが
わからないというコトになります。
ということで一般の話は大切なのです。そういうことにしとくのです。





なんで戦う?どういう場合に戦うのか?

何のために戦うのか、誰が~為に戦う~~♪のかといいますと
動物の場合、ぶっちゃけていうと、自分の為、それ以外ないわけですが
それではイキナリ話が終わってしまうので、どういう「場合」にアクションを起こすのか、
で。

(1)群れの中にいる複数のオスの中から、優位のオスを決定する。ナンバー1を決める。
(2)なわばりに侵入した外敵(他のオス)を追い払う。
(3)理由が不明な、仲間内でのこぜりあい、エサをめぐっての奪い合い。

(1)優位決定
カピバラの群れは優位のオス1、何頭かの劣位のオス、メスたち、こども達…で
構成されています。一夫多妻という響きから、群れにはオスが一頭しかいないと
思うヒトもあるかも知れませんが、この場合の一夫とは、優位のオス一頭だけが
「夫」になれる=繁殖できる、という意味です。
構成としてはライオンのプライドに似ているかも知れません。
まあ、ライオンと違い、カピバラは集団で狩りはしません。集団で刈りはしますが。
(<誰がうまいことを言えと…
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                         集団で刈り。

トップを決める方法とは…
「自分の優位性を相手に示し、納得させる」
つまりは示威行動。自分を強く、大きく見せる。

自分はお前より大きいぞ、だから強いぞということを示します。
体が大きい、というのは相手に対して説得力のある主張で
そのために、わざわざふくらんだり毛が立ったりする生き物もいます。
ひ弱なボウヤから誰もが認めてくれるたくましい男性になろうと
頑張る生き物もいますが、これも似たようなものです。

カピバラは大してふくらまないので、背を高く、大きく見せます。
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ちび同士の「ボクの方が大きいぞ!」
左の子が坂に立っているために、余裕で大きく見えているので、右の子の足下が…。
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つま先立ち。せいいっぱい自分を大きく見せようとしております。

立ち上がって4つに組むのも、この延長で、大きさを競うだけでなく
組んだまま相手を力と重さで押し、圧倒しようとする行為も見られます。
力の差があると相手を突き倒すことも。
大きさや力の差があまりなかったり、劣位の方の諦めが悪い場合、
さらなる戦いに発展、群れから追い出したり傷つけ合いになったり
することもあります。
動物園展示場内という、「ナワバリ」外に逃げることがしにくい場合、
傷つけあいの終わりがなく、果てしなくエスカレートしていくこともあります。


(2)外敵

敵と言っても、カピバラを捕食するワニとかヘビとかデカいネコとかでは
ありません。そういった天敵に対し、勇猛果敢に戦いを挑むということは
ありえません。
たいがいは走って逃げる、陸上の生き物が襲ってくれば水中へ逃げ、
水辺の生き物がやってくれば地上に上がる。これも一種の戦法と言えます。

ここでいう敵とは主に、ナワバリに侵入するよそのカピバラ。
特に群れのメスに近づこうとするオスのカピバラです。

侵入者対策にはいくつか段階があります。

警告

ナワバリの宣言。オスによる臭いつけ。「こっから入ったらあかんよ。」
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威嚇

カピバラや他の齧歯目のいくつかは非常に「vocal」な動物です。
いや、ボーカロイドとかそういうのではなくて(<余計なことは言わんでいい)
様々な声の鳴きわけで、情報を、意思を伝えあうことが出来ます。

コロコロキュルキュルココッのごきげん声、すこし甲高い警戒・不安の声
「ハッ!」から「ビッ!」「オウッ!」などの威嚇・警告音などなど。



他のオスを見つけた場合、吠えるような「とっとと出てかんかいワレー」の
声を出します。人間が聞いても「あ、なんか怒ってるなー」と感じる声質です。

示威…そして攻撃

それでも出て行くそぶりを見せなかったりグズグズしているヤツは
猛然と追いかけます。自分の方が大きいぞと4つに組んだり押し倒そうとしたり
ぶつかったり突いたり噛みつこうとしたり。
このあたりは「自分の方が大きいぞ強いぞ」と主張する行為と基本的に同じですが、
外敵に対しては、仲間内よりいくらか激しいかもしれません。

動物は肉食獣が捕食する場合を除き、よほどのコトがない限り他の動物を
殺したり傷つけたりはしません。(人間が猛獣に襲われるのは「よほどのコト」
だからです。)ましてや仲間内・同種内では、フルコンタクトな戦いは出来るだけ
避けます。過剰な攻撃は、体力の消耗や肉体的欠損を起こすおそれがあり、
結局は自分にとって不利になるのです。

カピバラの場合も、外敵との戦いは、相手を追い払ってしまえばそれで終了です。

しかし、カピバラが他の個体に傷を与えやすい動物であるのも確かです。

理由のひとつとして、降参のポーズがないということが挙げられます。
特定の、まいりましたごめんなさいあなたの勝ちです、を示すサインやルールが
ある生物では、勝った方はそれ以上の攻撃をくわえないのですが、
それが存在しない場合、とにかく徹底的に攻撃をくわえてしまうのです。

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もうひとつはその歯。
歯はカピバラにおいて唯一武器として使える器官ですが、
大きくて丈夫で常に鋭く研がれています。(写真は超平和なアクビの最中。)

勢いのついた体重アタックとの組み合わせで深い傷を、場合によっては
致命傷を与えることがあるのです。


(3)については野生下でも見られるかも知れませんが、
資料不足につき、特に突っ込まず。
まあ、あるかもなーぐらいで。

飼育下では、たとえば、食事中の個体のエサを他の個体が食べようとしたり、
その草を踏んでしまって邪魔になったりする場合、たとえ我が子であろうとも
声で威嚇したり鼻で小突いたりする、まあ、そういった場合です。
…あ、いや別に神戸母のコトを言ってるのではないですよ。
た、たしかにそういう姿をいちばん目撃しますが…それは我々が見る機会が
最も多いからであって、同じコトは他の動物園でも見ますから。ええ。
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by capybaraengine | 2008-07-08 17:41 | 神戸カピバラ(王子動物園)
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