王子動物園の機関誌「はばたき37」1995年(平成7年)7月発行によりますと
95年1月20日、カピバラの赤ちゃんが1頭生まれています。
灘区は震度も高く、被害も甚大な地域だったのですが
奇跡的なことに、園内の施設に大きな損害はありませんでした。
水やガス、飼料(特に特殊なもの)などの供給に苦労したものの(電気は当日に復旧)
水は地下水を利用、夜行性動物がいる「太陽の動物舎」はストーブにて温度を上げ、
コアラのユーカリは栽培業者の協力によって確保。(当時、パンダはまだいません。)
京都市動物園や天王寺動物園の援助も大きな助けとなりました。
そして王子動物園は95年3月23日、再開となりました。
それまでの2ヶ月1週間の間は住民の避難所や
救援活動をする自衛隊の拠点として機能していました。
そんな状況の中でも、生まれた直後から立って歩いて普通に草も食べ
ヒトの手による特殊な養育も必要としないカピバラだったからこそ
無事に元気に育って行けたのでしょう。
そのカピバラの姿はきっと誰かの心を和ませたことでしょう。
(※画像はイメージです。)